日本ふしぎ祭

10月13日 ロケット祭り(埼玉・秩父)



農民たちが、手製のロケットをボンボン打ち上げていく。
この祭りの現場・椋神社は、実は、あの「秩父暴動」の本拠地なのである。
しかも、秩父は古来、有名な火薬の産地であった。
この地では、鉄砲祭り、秩父夜祭の花火打ち上げなど、変に火薬を使う祭りが多い。

秩父は、日本の火薬庫なのだ。
かつて、バルカン半島が「世界の火薬庫」と呼ばれたように。
そして、この地に眠る反体制的な衝動と、豊富な火薬が、この世界でもめずらしいロケット祭りへと結実した、と考えるのはうがちすぎだろうか。
現場では、硝煙の臭いとともに、どこか反体制的な香り、「男」の香りすら漂っているような気がした。

(撮影・芹川智洋)